マット・リドレー「赤の女王 性とヒトの進化」を読んだ

タイトル通り。

ちょっと気になった点を数点メモ。

 

哺乳類には1世代1ゲノムあたり約100の突然変異の遺伝子が含まれている。

この遺伝子は親の遺伝子とは異なっていて、酵素のコピーミスや宇宙線の影響により、発生する。

 

遺伝子は、てっきり父親から半分、母親から半分を受け継ぐものだと思っていたが、ごく僅かにそうではない部分があることを知った。

 

身長・体重、知能指数まで、遺伝要因であることがわかってきた中で、

それでも、

すべてを遺伝要因では片付けることはできなさそうだ。

 

キノコは有性であるが、オスは存在せず、しかしながら、何万もの性の種類がある。

 

これすごい。

どういうことかというと、

ヒトの場合、生殖はオスとメスでしか行えず、自分基準で考えると、約半分のヒト(自分と同じ性別)とは生殖を行えないことになる。

例えば、性の種類が3種類の場合、生殖が行えない割合は1/3に減り、

さらに、キノコのようにどんどん性種が増えれば、ヒトのように性差を理由に繁殖が行えない確率はかなり低くなる。

すごい、SFとかにありそうな設定だ。。

今の同性婚の問題とかも突き詰めると、こういう形にできればある意味の解決になるかもしれない。

 

母体によるホルモン分泌量は、子の性格に影響を与える。

母親のテストステロン値が低いと、子の容貌・態度はより女性的になる。

例えば、胎児の時にテストステロの刺激が通常より低かった男性は、内気・優柔不断・軟弱になり、逆の場合は、ケンカっ早くなる傾向がある。

 

まあ、出版されてから時間が経っていることもあり、(1995年)

今だったらポリコレ的にアウトな表現も気にするが、、

 

ちなみに、テストステロン値が低い女性とは、どういうケースだろう?

それは、例えば卵巣を持っていないターナー症候群の女性だったり、

(精巣ほどではないが、卵巣もテストステロンを分泌する)

糖尿病患者で妊娠中に母親が女性ホルモンの投与を受けていた場合などがある。

 

最後、

パートナーに対する女性の性的嗜好は、女性の富、権力、社会的地位が向上するにつれて、差別的でなくなるどころか、ますます顕著になっていく

 

またしんどいところである。。

女性的には、財産があれば、異性を選ぶ際に、相手への金銭的な頼り強さを考慮する必要がなくなり、より性格が合う人だったり、よりイケメンの人だったりを選ぶ余裕が生まれてきそうであるが、

(お金に縛られない分、より自由な選択ができそう)

実際にはそうはならないらしい。ただしあくまで傾向の話。