ロバート・グリーン「権力に翻弄されないための48の法則(上)」を読んだ
タイトルどおり。
この本、読む前はなんとなく心理学系の本かな。とか思ったけど、
実際は、帝王学?とかに近い感じ。
過去の有名人の逸話・寓話を引用して、
歴史から学ぶ。みたいなスタンス。
世界史とかのエピソードはやっぱりスケールが違うし、読んでて面白いんだけど、常人が真似できるかと言われるとちょっと..
例えば、「法則7 他人を自分のために働かせよ、ただし手柄は決して渡すな」
とか。
友人にこそ汚れ仕事をやらせろ、くらいに書いてある。
コワイヨ..(´・ω・`)
そういうわけで、書いてあることを全部実践すると言うよりも、具体的なエピソードの方を楽しんで、肝心の内容は話半分に聞くくらいのほうがいいかと思う。
その中でも僕的に面白かったところ3点をピックアップ。
1つ目。
人は見かけの態度を本物と思い込む。例えば、偽りでも鷹揚な態度を取れば、それに気がつく人は殆どいない。なぜなら、そう考えたほうが心が落ち着くから。
っていう話。
そもそもなぜ私がこのやや古めの本(平成11年)を知ったかというと、
「ザ・ゲーム 退屈な人生を変える究極のナンパバイブル」
という、過去に話題になった本で、紹介されていたからだ。
こっちの本はとにかく、「自信もて」「(ナンパの)数こなせ」「身だしなみ整えろ」
などなど書いてあったのだが、
なぜその本で、「権力」と入ったこの本がおすすめされているのか分からず、気になっていた。
それでこの部分を読んで、自分的に納得。
モテ本だけじゃなくて、「自信もて」系のアドバイスって、プレゼン・営業とか、社会人向けの自己啓発本でも頻繁に推奨されていると思う。
が、
なぜ自信を持つとうまいこと行くのかの理由が今一釈然としてなかった。
なるほど、一度与えられた情報を、わざわざ疑うって行為にも労力がかかるから、それを惜しんで人はすんなり相手の自身を持った態度を信じちゃうっていう仕組みなのか。
言われてみると、こういう考える手間を省くって自分もよくしている気がする。
当然相手が明らかにダマしに来ているなら、こちらもある程度身構えるけど、例えば初対面の人とお話するときにまで、常に相手の態度を疑うようなことはしていない。
「自信もて」系のアドバイスはよく聞いていて、でもいざ実行するのが難しかったけど、「なんで自信持つといいの?」ていうところの糸口が今回わかった気がした。
2点目。
必要以上に喋らないといいことがあるかもって話。
沈黙は相手を不安にし、相手はなんとかして、相手の沈黙の意図や目的を解明しようとする。
すると、口数の少ない人は、深淵で謎めいた人のように見えてくる。
というような要旨なんだけど、
面白いのは、アンディ・ウォーホルはこれを実際にやってみてたってこと。
後年、ウォーホルは、インタビューを受けるたびにあえてどっちつかずの回答をし、インタビュアーを悩ませ、作品への深遠さを沸き立たせたという。
確かに、
偉い人がよくわかんないこと言ってたら、
「僕にはわからないけど、さぞすごいことを言ってるんだろうなー」と思うことがよくある。
言ってる意味わかんねー、とは思わない(思えない)。
そういう心理に気づいたウォーホルのような人物があえてそれをやり始めたら、このテクニックを知らないと、「なんとなく凄そう」という印象を持つことは避けられないと思う。
さっきの話と同じで、相手を疑ったりすることは、やっぱりある程度必要と感じる。
最後3点目。
付き合う人間を考えろって話。
これは耳が痛いけど、、
自分と似た性格の人と付き合うのは心地いいけど、
(きっとその友人と似ているであろう)欠点も増幅されてしまうので、
人付き合いは考えろよ。
と、、
確かに「あたりまえ」は人・コミュニティによっても違うし、食わず嫌いしないで、自分と違う性格の人間とも付き合うことを意識的に行わないと、一般的な常識と、気づかずに離れていってしまうことはありそう。
実行できるかは別として、意識はしておきたい。
あ、あとちなみにこの本は上・下巻の構成で、
今回取り扱う上巻の方は法則26まで書いてある。
下巻の方は、気が向いたら読もうかなー、と思います。